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脂肪を分解する技術

水着の人

基本のチューメセント法

脂肪細胞は血管や筋肉と密着しているため、引き剥がして脂肪だけを吸引しようとすると、どうしても痛みや出血を伴います。1990年頃までは、脂肪吸引といえば輸血が必要な手術でした。しかし現在では、脂肪吸引で輸血が必要なケースはほとんどありません。これはチューメセント法という方法が開発されたためです。チューメセント法とは、吸引する脂肪の1〜3倍の生理食塩水をあらかじめ注入しておき、脂肪細胞をふやかしてから吸引する方法です。生理食塩水には少量の麻酔薬が含まれていて、痛みを抑えるのにも役立ちます。この方法が脂肪吸引の安全性を大きく向上させたと言われており、今では大部分の美容外科で基本的な技術になっています。チューメセント法と組み合わせて、実際に脂肪を吸引するカニューレにも、いろいろな工夫が凝らされています。一般的な脂肪吸引は、カニューレに電動ポンプを取り付けて、大量の脂肪を吸引できるようになっています。これに対してシリンジ法は、注射器を使って手作業で脂肪を吸引する方法です。手作業なので多くの脂肪は吸引できませんが、医師の技術力が高ければ微調整が可能で、術後に凹凸ができにくいという長所があります。また吸引した脂肪を再注入するときにも使うことができます。ボディジェット法はカニューレの先端から水流を噴射して、ターゲットとした脂肪細胞を分解してから吸引する方法です。また水流ではなく超音波を発射して、脂肪細胞を軟らかくするのがベイザー法です。いずれも体への負担が少なく、施術時間は短く、出血や腫れも小さいと言われています。これはダウンタイムの短縮にも繋がります。また経験の比較的浅い医師でも、ムラなく均質に脂肪を吸引できるとされています。ベイザー法にはカニューレから発射するのではなく、吸引の前に体外から超音波を照射しておく方法もあります。高度な技術が必要な脂肪吸引として、クリスクロス法や浅層脂肪吸引があります。クリスクロス法は複数の箇所に穴を開けてカニューレを挿入する方法です。傷跡が複数残ってしまいますが、脂肪の取り残しがなく、隅々まで徹底的に吸引できるのがメリットです。浅層脂肪吸引は、通常よりも皮膚の表面に近い部分の脂肪を取り除く方法です。吸引後の皮膚のたるみが起きにくいという特徴があり、また真皮層が刺激を受けて細胞分裂が盛んになるため、肌にハリが出るとも言われています。これらの方法は、すべてのクリニックで取り扱っているわけではありません。